shiorikimono’s diary

プロの着物スタイリストが教える、お金をかけずに着物を始める方法、失敗しない着物選び、お洒落コーディネートなどお役立ち情報。また趣味の旅情報やダイエット美容など女子のためのお役立ち情報を配信。

高い着物と洗える着物は何が違う??

着付けの練習には洗える着物がいいと紹介しました。
汚れてもジャブジャブ洗えるし、なんと言っても値段が安いのでハードルが高い着物も抵抗無く買える。
でも、一般的に高いと言われる普通の着物と何が違うの??って思いますよね。
着物は通常、絹(シルク)素材でできています。
シルクは肌触りと肌なじみの良さが最高です。
通気性に優れ、冬は暖かく夏は涼しく自然界が与えてくれた最高の素材です。
着物の反物の長さは約12~13メートル。振袖になると袖が長いので16メートル。
これだけのシルクを使うのでなるほど高い訳です。
また、洋服の生地みたいに大量生産できません。
今は機械で染めることもできますので機械で染めたものは比較的安いです。
職人さんが反物を1から作るとなると長い長い工程があるのでとても時間がかかります。
図案を考え、下書き、特殊な技法を組み合わせながら描いたり金箔を施したり、絞りの加工になると1日に数センチしか作れません。
広範囲のところを染めるときは、風の入らない締め切った部屋で一気に染め上げます。
10メートル以上の長さのものを同じ濃さでムラ無く染めるってとんでもなく難しいもの。
たとえば、水彩画の絵の具で色を塗った場合、インクを付け足したところってつなぎ目がでますよね?
反物はつなぎ目が出てしまった場合そこでアウト。
染めている現場を見たことがありますが、息をするのも緊張しました。
染めたあとも、色を定着させるために蒸したり洗ったり大変な工程があります。
蒸すところは暑い部屋での作業。そんな暑い中でも汗がポタッと生地に落ちてしまうともう商品にはならないため慎重な作業です。
色の濃いもの淡いものまたその時の気温や湿度でも微妙に蒸す時間も変わります。
そのあと綺麗な水で洗う作業がまた大変。
昔は川で洗っていたそうですが、現在は工場に長いプールみたいなのがあって綺麗な地下水がどんどん流れています。
その中に腰まで浸かって反物を洗います。
体勢もつらいけど、冬は冷たい水に浸かっての作業は更に大変。
このあとも干したり、形を整える作業があってやっと1本の反物が仕上がります。
だいぶはしょった説明なので、実際はもっと工程があります。
この作業を見てしまったら、安い値段では買えないなと思いました。
着物がなぜ高いかはこんな理由です。

いっぽう形は同じなのに、洗える着物はなんで安い??
洗える着物の素材はポリエステル。
洋服にも使われている素材です。
絹の反物と違い、服地の用に大きいロールで印刷が可能なため生地も安いし同じものが沢山作れます。
いいところは、なんと言っても安い。下手したら洋服より安いものもあります。
あとはお手入れのしやすさ。
洗濯機で洗えるのが魅力です。
いまいちな点は静電気がおきやすく裾がまとわりやすかったり、脱ぐときバイバチってなります。
あとは、肌なじみが良くないとこ。
絹は肌にしっとり馴染むのですが、ポリエステルはそこが望めない。
まあ、安いのでどこかは我慢です。

洗える着物を買うときは、ポリエステルの生地もいろいろありますので、なるべく柔らかくてペラペラして無いものを選んでください。
ツルツルしてていかにもポリエステルを選ぶと、滑って着にくいのとシルエットがかっこ悪いので避けたほうが無難です。
特に安いものはペラペラしてて浴衣みたいに見えるものもあるので、ネットで買う場合は失敗する可能性も高いのは事実。
こればっかりは値段だけでは判断できないので運です^^;
違いがわかるとお買い物しやすくなるので参考にしてみてください^^